
ビッグマネー!
こんなご時世でも株で稼ぐ人っているんだな、というぐらいに思っていたこのニュース。後日談が毎日新聞に載りました。 彼の取引自体は比較的好調だったようです。でも毎日一人数字と向き合い、引きこもりの状態が続いていたみたい。こんな彼の言葉が引かれていました。 「自由な半面、市場から利益をもぎ取るだけで、世間に何のプラスも生み出していない。この世界に自分がいてもいなくても同じと思うと、たまらない気持ちになった」。 この言葉を読んでふと、石田衣良の「波のうえの魔術師」を思い出しました。おととしの夏、TOKIOの長瀬くん主演で「ビッグマネー!」というドラマにもなっているので、ご存知の方も多いかも。 この小説とドラマ、細かい設定に違いがあるのはもちろんですが、一番の違いはそのラストシーンの描き方だと思います。どちらも主人公の白戸くんは風説の流布で市場を混乱させた罪で逮捕され、服役します。 釈放後、ドラマ版では白戸くんの彼女をはじめ、服役前に知りあった人々が彼を待っていてくれて、白戸くんは彼らに見守られながら新たな取引にかかり、エンディングとなります。 しかし小説版では、誰も彼を待っていません。付き合っていた彼女は、彼が株にのめりこんでいくのに嫌気が差してとっくに離れています。取引で知り合った人たちも彼を出迎えることはありません。彼はたった一人銀行に向かい、これからの人生を一匹狼として市場と向かい合いながら生きていく、というシーンで終わりました。 ドラマ版も小説版も、主人公の大きな取引を青春の1ページとして描いていますが、小説版では青春はそこで終わっています。主人公はたった一人で生きていく、大人に変わっていました。 名古屋の事件の彼は、「ためた金でいずれ事業をしようと思っている。何をやるかは漠としたまま」だそうです。彼は大人になれたのでしょうか? コメント(0)| Track back(0) | 2004-01-25 17:58:02 |
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