
サッカーとスタイリスト
その昔、塩野七生さんの本を読み漁っていた頃、「男たちへ」というエッセイ集にこんな話があった。 イタリア女性と英国紳士が結婚することになり、式はイタリアで行われることになった。イタリア側の出席男性一同は、英国を意識してか、皆シックな黒のモーニングスーツにグレイのジレー、白シャツに銀ネクタイで身を固めた。 しかしモーニングスーツ発祥の地、英国から到着した紳士たちと対面したとき、イタリア男たちは驚きとともに自分たちの負けを認めるしかなかった。ジェントルマンたちの軽く着崩したグレーのモーニングスーツの襟口からのぞく、原色鮮やかなシャツとネクタイとジレー。彼らに比べると、イタリア男はどうにも見劣りがちだったから。 なかでもひとりの英国紳士の袖口からのぞくカフスボタンに惹かれた著者は、どこで手に入れたかたずねる。すると紳士はこうこたえた。以下、本著より抜粋。 「いやあ、二組も持ってきたのに、今朝になって見つからないのですよ。まあ、イタリアで買うのもよかろうと探したんですが、イタリアのカフスボタンは“まっとう”なものばかりで。それで、これが面白そうだったんで買ったのです。用がすめば、妻にやればいいんですから。」 カフスの内側を見せてくれた時、私は感嘆のあまり声がなかった。女物のイヤリングだったからである。(「男たちへ」第2章 イタリア男、イギリス男に圧倒されるの巻 p27) ファッションの国イタリアの男といえど、スーツの伝統は英国には負ける。そしてその伝統に裏打ちされたあそび心にも…、というエッセイだった。 私がこのエッセイを思い出したのは、今日次のような記事を見つけたからだ。 イタリアサッカー、ナショナルチームのTシャツを英国人がデザイン? デビッド・ベッカム選手の英国ナショナルチームのTシャツをイタリアの巨匠デザイナー、ジョルジオ・アルマーニ氏がデザインしたのに対し、イタリアナショナルチームのTシャツは英国人デザイナー、ニール・バレット氏がデザインすることが分かった。(続きを読む…) イタリアと英国、サッカーではどちらのほうが伝統があったっけ? コメント(0)| Track back(0) | 2004-01-22 23:00:31 |
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